近年さまざまな用途で注目されるゴーヤについて、
ゴーヤの持つ健康パワーやその歴史について雑学を交えながらご紹介しています。
これであなたもちょっとしたゴーヤ博士に!?
まずは、その呼び名から見ていきましょう♪
実はゴーヤという呼び名は沖縄の方言で、正式名称は「ニガウリ(苦瓜)」といいます。他にも地域によっては「ツルレイシ」といったり、「ゴーラ」「ニガゴーリ」「トーグリ」「ニガゴイ」と呼ばれています。
なんだか魔法の呪文みたいですね。きれいな緑色とコブ状の突起が特長で、食べるとシャキッとした食感と独特の苦味があります。
2001年から2007年まで放送された、沖縄を舞台にしたNHKドラマ
「ちゅらさん」の影響で沖縄の文化が注目されるようになったのがきっかけで
ゴーヤの知名度が飛躍的にあがりました。
また、現在では節電ブームとその育てやすさから日本各地で日除けの目的でも
ゴーヤの栽培が行われるようになっています。
ゴーヤを使った料理といえば「ゴーヤチャンプルー」が有名ですね。
皆さんも1度は食べたことがあるのではないでしょうか?
ゴーヤチャンプルーのようにゴーヤは焼いても苦味があり小さい頃から家庭料理で親しんできた沖縄の方でも苦手とする方はいらっしゃいます。
それでも沖縄ではこのゴーヤを使った料理が夏の定番となっています。
それは、ゴーヤは沖縄県民にとって夏バテに効く料理として広く認識されているからなのです。
ゴーヤには夏バテに効果のある栄養成分がたくさんあり、他の野菜にはないような貴重かつ身体に良い栄養素が豊富に含まれています。
今ではゴーヤと言えば沖縄を連想する方が大多数だと思いますが、原産地はインドを中心とする東南アジアです。
それが14世紀末に中国に伝わり、15世紀末に日本に渡来してきたと言われています。
そして沖縄の琉球王国時代の書物「琉球国由来記」(1713年)に苦瓜(にがうり)の名称が見られますが、初めて沖縄にゴーヤが来た時期については明確にされていません。
昔から中国と深いかかわりのあった沖縄には、薬と食事は同じとする『医食同源』という中国の考え方の影響を受けており、毎日の食事は単に飢えをしのぐものではなく、健康を維持するための薬としても考えられ、沖縄の方言で「クスイムン(薬物)」「ヌチグスイ(命薬)」と表現されます。
この考え方を基にゴーヤもただの野菜としてではなく、夏バテ予防のために食べられてきました。
例えば、暑さで食欲がなくなったり、消化不良を起こしたり、十分に栄養補給が出来なくなり体力が消耗して体がだるくなる夏バテにはよくゴーヤが食されてきました。
さらにゴーヤは、沖縄県だけではなく他府県にもその栄養価が認知され需要が高まり、その生産量を増やそうと、昭和61年から沖縄県農業試験場でゴーヤの品種改良への取り組みが始まりました。世界中にある様々なゴーヤを集め、研究がなされ、平成4年には沖縄県農業試験場で新品種『群星(むるぶし)』の育成に成功しました。品質が良く、収穫率が高く、そして耐病性にすぐれた品種の誕生です。
その後、平成7年には群星(むるぶし)と県内で栽培されている在来種の中から、 寒い時期でも勢いよく成長するものを掛け合わせ『汐風(しおかぜ)』の育成に成功しました。 寒さに強く、年間を通じての栽培を可能にした汐風(しおかぜ)により、 翌年の沖縄県のゴーヤ生産量が6,000tを突破しました。
平成12年にはNHKドラマ「ちゅらさん」の効果もあって 沖縄県から他府県へのゴーヤ出荷が約3,000tと飛躍的に増加しました。 さらに、平成14年には太くて、重くて、緑が濃くさらに、露地栽培に適した 『島風(しまかぜ)』が誕生しました。 この時には一般から名前を公募し9,562件もの応募の中から名前が選ばれました。
平成20年には暑くても品質が安定する『夏盛(なつさかり)』が誕生しました。 平成8年から開発に着手し平成18年に育成試験が完了し、その2年後に本格普及が決定しました。 開発に着手してから実に12年もの期間を経て生まれたのが夏盛(なつさかり)なのです。